第3章 渾渾沌沌 第3節

 青柳良祐は、ゴールデンウイークには糸島の自宅にいた。たつやに神武天皇のことを報告すると言ったが、さて何から調べたらいいか、迷っていた。そして、高校の恩師である高橋先生を訪ねることにした。
 「やぁ、青柳君、久しぶりだね。東京での学生生活はどうだい。」
 「何とか、アルバイトもしながら過ごしています。」
 「確か、青柳君は文学部の史学科を専攻しているようだね。」
 「はい。3年になってゼミで日本人起源論を受けることにしました。」
 「日本人起源論か。なにか難しそうだね。」
 「たつや先生の講義が面白かったので、ゼミに参加しました。それで、たつや先生の部屋に挨拶に行ったとき、ぼくの出身地である糸島のことを話すと、倭国のことや神話の話をされて、結局、神武天皇のことを調べることになってしまいました。」
 「神武天皇ですか。芥屋の大門の話はしましたか。」
 「はい。神武天皇がみそぎをして東征を決意した話を。」
 「久米氏のことは。神武天皇が東征するときに、伊都に勢力があった久米氏が参戦して。」
 「そんな話があるのですか。」
久米舞 「神武天皇が東征するときに久米の軍団が歌ったのが元で、宮中の儀式、大嘗祭でその歌が踊りになって、久米舞を披露されています。」
 「久米舞ですね。では、久米氏を調べればいいのですか。」
 「神武天皇と安曇氏の関係は。」
 「それって、奴国の漢委奴国王の印の話ですか。」
 「神話では安曇氏の祖はワタツミで、ウガヤフキアエズと結ばれたタマヨリビメとの間の子が神武天皇。」
 「先生には、タマヨリビメとトヨタマヒメを祀ってある細石神社の話はしました。」
 「安曇氏の拠点である志賀島を調べてみては。」
神武の里の日の出 「糸島から志賀島までは、そんなに離れていないので調べてきます。」
 「それと、久米氏の祖はアマツクメノミコで、ニニギが高千穂に天孫臨降したときにアメノオシヒとお伴したとあるので、少し足を伸ばして宮崎の高原町にある神武の里を訪れては。」
 「先生には、ニニキの父に当たるホミミの英彦山もお話しましたが。」高原町マップ
 「もう一つの高千穂も存在しています。それは、宮崎の高千穂町でくしふる峰、二上山、祖母山などを高千穂と読んでいます。」
 「へぇ、高千穂が2カ所ある。では、そこも。」
 良祐の頭の中は、神話の世界に埋まってしまいました。
 「高橋先生、いろいろと教えて頂いてありがとうございました。早速、久米舞のことや漢委奴国王の印や高千穂のことを図書館で調べて、志賀島、神武の里、高千穂町に行ってきます。」


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