中国の秦朝から前漢朝にかけて書かれ、中国の最古の地理書『山海経』に、日本の記事があり、中国の東方に黒歯国があり、その東に扶桑国があると記されている。日本ではこの記事に対していろいろな説を唱える方がおられます。例えば、倭国があり、黒歯国があり、扶桑国も存在していた。と唱える方もおられるでしょう。地理書『山海経』が記載されたのは、紀元前4世紀から紀元前3世紀の頃で、その頃、日本において国家としての国が存在していたか。疑問であり、その当時の日本では集落から小国家へと発展していた頃。『山海経』は古代中国人の伝説的地理認識を示した書で、内容のほとんどは各地の動物、植物、鉱物などの産物が記載され、その内黒曜石容に合わせて国名を記載したのではないかと思われます。また、『山海経』には古い中国神話を元に記されているので、その観点から考えると日本の縄文時代から中国の人は、日本の存在を認識していたことになりますね。
 『山海経』に記載されている「黒歯国」とは、私の以前の解釈として、日本人の女性が結婚して歯をお歯黒にする習慣があったことから、黒歯の国と思っていましたが、古くから中国人の認識とし、また『山海経』が鉱物に因んで「黒歯国」実をつけたクワの木と記載していると考えると、石器時代から優れた石器、日本で多く産出する黒曜石のことではないか。また、「扶桑国」においては、扶桑の木を実際のクワのこととみなし、広葉樹のハリグワが日本では石器時代から生息し、クワの実が食料とされていた。考古学的には、明石市の西八木遺跡で約6~5万年前の砂礫層の中からハリグワ製の板状の木製品が発見されている。日本の旧石器時代人が石器だけでなく木を使っていたことなりますね。
 秦朝の時代、秦の始皇帝が不老不死の薬を求め、琅邪郡(山東省臨沂市)出身の徐福に日本行きを命令した。この不老不死の薬は結果的には見つからなかったが、ログワの根皮は桑白皮という漢方薬で、利尿、血圧降下、血糖降下作用、解熱、鎮咳などの作用があり、五虎湯、清肺湯などの漢方方剤に使われる。桑白皮には、スクロースや蚕砂マルトースの分解効率が低下し、血糖値の上昇が抑制する効果があるようです。クワを食餌とする蚕のフン、漢方薬の「蚕砂」と同じ効果があるようです。徐福は、中国からある漢方薬の元をハリグワが多く生育している日本に目を付けたのでしょうね。
 石器時代から、中国の人が日本を古くから知っていたのは鋭くよく切れる「黒曜石」存在があったからだと思われますが、クワの存在はいつ頃からなのだろうか。中国の伝説によると5,000年前頃、黄帝の妃の西陵氏が庭で繭を作る昆虫を見つけ、黄帝にねだって飼い始めた、養蚕のはじまりですね。日本で養蚕業が盛んなとき、昭和初期には蚕を育てるのに、クワと蚕クワが必要で桑畑が養蚕業の周りに広がっていた。蚕にはクワが必要なのですね。日本に稲作が入ってきた頃と同じくして、養蚕業も入ってきました。日本にはクワが多く生育していましたから。そのようなことから、秦の時代から日本のことを「扶桑国」と言っていたのですね。
2019年2月17日

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