「北朝鮮と韓国とが平和的に統一」という現在の話題に合わせて、済州島と日本との繋がりを探ってみたい。
 戦中から「建国同盟」を結成していた親日派の呂運亨が終戦の1945年8月15日にその当時の朝鮮総督府の遠藤柳作から朝鮮の政府樹立を目的にして、「朝鮮建国準備委員会」を託され立ち上げた。その中には親米派で全州李氏出身の李承晩もソ連の傀儡政権としての朝鮮労働党の金日成も参加していた。9月8日に朝鮮半島に上陸したアメリカ軍はその「朝鮮建国準備委員会」による政府を認めずアメリカ軍政庁を。信託統治に反対する右派は「非常国民会議」を結成。李承晩は朝鮮の統一と独立をかけての運動家で、「大韓独立促進国民会」を済州島1946年2月に結成。一方で朝鮮人民党と朝鮮共産党の左派は1946年2月に「民主主義民族戦線」を結成。太平洋戦争が終結し、朝鮮半島はアメリカとソ連によって北緯38°線で北と南とに分割されていきます。今でこそ、日本の手軽な観光地でもある済州島ですが、済州島にも1985年9月10日に「朝鮮建国準備委員会」支部ができ、間もなく解散。しかし、その支部を土台にして「済州島人民委員会」ができ、済州島独自で南北統一の自主独立国家樹立の活動をはじめ、1947年3月1日に集会とデモを施行。そして、当時の警察が発砲し、島民6名が殺害される事件が起きた。その後の3月10日に、この事件が発端で全島挙げてのゼネストを決行。困り果てたアメリカ軍政庁は、警察官や北部から逃げてきた右翼集団「西北青年団」を済州島に送り込み鎮圧に。それがエスカレートされて、島民の反乱組織の壊滅を図ろうとした警察と、島民の不満を背景に力を増していた南朝鮮労働党が、1947年4月3日に壮烈な銃撃戦となった。この事件が「済州島四・三事件」と呼ばれ、警察および右派から12名、武装蜂起側からは2名の死者が出た。この事件が発端になり、李承晩大統領の命で、韓国本土から鎮圧軍として南朝鮮国防警備隊を派遣、政府の方針に反抗した部隊との戦闘状態が韓国本土(全羅道)にも生じた。これが麗水・順天事件で1948年10月27日に終結した。この一連の事件で、反乱部隊に加えて、非武装の民間人8,000名が殺害された。その騒動で、親日派だった人達は日本に逃れ、大阪にたどり着き、在日朝鮮人となっていった。戦時中の済州島は、日本軍に占領され、アメリカとの沖縄戦では済州島が前線基地にされた。だから、親日派もいたが独立意識の強い左派もいました。
 済州島は元々が独立した島で、鎌倉時代、蒙古と高麗の連合軍が日本まで押し寄せてきた文永の役(1274年)と弘安の役(1281年)以前は耽羅国でした。それが、蒙古の属国化した高麗が済州島を支配してしまいまし三姓穴た。その後、済州島は高麗王朝と朝鮮王朝の間、流人の島という扱いを受けたのです。ですから、朝鮮半島では珍しく「三姓神話」が残っています。「瀛州と呼ばれ、未だ人の住まない太古の済州に、良乙那、高乙那、夫乙那の3つの姓のある三人の神人が、漢拏山の北山麓の地の、三姓穴に現れ、これが済州人の先祖である。ある日、漢拏山を展望していた彼らは、北の海の方から流れてくる木の箱を発見した。開けてみると、箱の中には東国の碧浪国から来たという使者と美しい三人の姫、家畜や五穀の種が入っていた。三人の神人は、彼女達を妻として迎え、産業と五穀の栽培を始めて、集落をつくった。」(『高麗史』57卷-志11-地理2-033からの引用)とあるように、良乙那、高乙那、夫乙那が現代では観光化されている「三姓穴」から出てきたと。日本で神話が作られた大化の改新の頃、済州島に良(梁)氏と高氏と夫氏の勢力があったようです。この梁、高、夫も元々は中国姓。中国の浙江省や江蘇省や山東省から渡ってきたのでしょうね。「東国の碧浪国から来たという・・・三人の姫」とある碧浪国は日本のことで、高麗王の仁宗が1145年に発行した『三国史記』の中に、660年百済が唐・新羅連合軍の侵攻によって滅亡。唐軍の侵攻を恐れる耽羅は、665年8月に日本へ使者を送って来朝し、その後、何度か。その中で、669年3月に王子の久麻伎らが来朝したときには、日本から耽羅王に五穀の種を授け、その上で耽羅の王子らは帰国したとある。たぶん、この頃の話を架空の碧浪国として仕立てたのでしょう。
CIS-AB血液型分布 少し余談になりますが、世界的に珍しい「CIS-AB」という血液型あって、その血液型は同じ染色体一つにA型とB型が含まれている非定型のAB型なのに、一般的な常識を破り、この血液型「CIS-AB」とO型との間からAB型またはO型の子供が生まれる。本当にめずらしい血液型なのですが、朝鮮半島の全羅道(済州島も含む)と北部北九州に多いそうです。こんな余談で、このCIS-AB型の人達のルーツは同じではないかと考えてしまいます。
2018年4月30日

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