チャノキ 日本茶は、世界でも例のない製造方法で作られています。それは、原木のチャノキの葉っぱを「蒸す」という工程です。それは、酸化や発酵を防ぎ、蒸し終わった葉っぱを乾燥させる。そのことによって、緑茶が出来るわけですね。乾燥させた茶葉にお湯を注ぐ。私達がよく飲むお茶が出来上がります。原木のチャノキは、ツバキ科ツバキ属の常緑樹で、野生では熱帯から温帯のアジアに広く分布している。インド北東部のダージリン地方、台湾やセイロン島中央の山地といった高所の栽培に向いている。寒さの霜に弱く、酸性土壌に適している。日本での栽培は、酸性土壌であり、山地の多い日本には向いていますが、寒さだけに気をつけて栽培されているようです。そのため、11月頃になると、チャノキの株元に藁を敷いて、冬の茶畑冬の寒さや霜に備えます。
 日本茶として定着したのは、安土桃山時代に千利休が武家階層にわび茶を浸透させ、茶道を確立させてから。しかし、鎌倉時代に禅宗を広めた栄西が中国から持ち帰った茶を九州筑肥背振山に植え、1214年に抹茶とともに『喫茶養生記』を源実朝に献上し、武士階級に茶が広まる足がかりとした。この抹茶は、緑茶を石臼でひいたお茶。栄西から禅を学んだ明恵は、宇治の地に茶を植えた。これが宇治茶の起源と言われている。お茶を飲む抹茶習慣とか製造とかは、平安時代の遣唐使が薬として日本に持ち込んだ。804年に空海や最澄も茶の知識を最初に書いた『茶経』を持ち込み、茶の習慣を広めようとしたが、公家の間でも浸透しなかった。それ以前、奈良時代に聖武天皇が729年に、宮中に100人の僧侶を集めて大般若経を講義し、その2日目に行茶と称して茶を賜ったと伝えられている。その当時の中国茶は現代の烏龍茶に似ただんご状の微発酵茶と考えられ、薬として飲むぐらいのものとしか認識していなかった。中国のお茶は、日本の緑茶と違って、茶の葉っぱを釜ゆでするため、微発酵していてお茶の色はブラウンで、この茶の色こそが現代日本人のいうところの茶色となる。日本でも、中国から輸入したときは、釜ゆでしたと思う。たぶん、朝鮮半島南部と北部九州が交易を始めた頃、紀元前後にはチャノキが入ってきていたと思われる。
緑茶 日本人がお茶を飲む習慣は近世からだと思うけれど、お茶の習慣もそうだけれど、お酒を飲む習慣も日本人にはありますね。3世紀末に発行された『三国志』の魏志倭人伝でもコメから作られる酒を倭人は嗜んでいたとある。その当時には原料としての豊富なコメであり、きれいな水も日本にはあった。でも、日本酒を製造する工程で「蒸す」という技術がなければ酒は出来ない。この「蒸す」という技術は日本茶を生産する上でも必要。土製蒸し器土製蒸し器、甑(こしき)は、甕という湯を沸かす土器とともに用い、甑の内部の底に布などを敷き、その上に米などの調理物を入れる土器。そして、湯を沸かす甕の上に乗せて蒸す。この甑は、中国では稲作で知られている河姆渡遺跡などで出土している。祭事などでコメを蒸し、餅を作るのに使っていたのだろう。それに朝鮮式のかまど(堀込炉)が必要でした。このかまどは、鉄器の製造にも使用された。それが、福岡市西新町の西南学院高等学校南側にある吉村韓竈病院新築工事にともなう発掘調査、1992年に行われ、竪穴住居と堀込炉、甑、甕が発見された。この西新遺跡には、3世紀の中程に朝鮮半島南部から渡ってきた人達が住み、日本でほとんど製造されていない鉄の板、鉄鍵を生産していたことが発掘調査で示された。
 古代中国、神農の時代、紀元前2,700年では、チャノキは薬草として食べられていた。そして、中国の神話なので、お茶を飲むようになった起源がハッキリしないが、「神農がお湯を飲もうとしたとき、偶然、茶の葉っぱが入ってきて、いい香りと旨味を覚えた」とある。紀元前59年に王褒によって書かれた『奴隷売買契約書』の中に「武陽買荼(武陽で茶を買う)」が出てくる。漢の時代には中国では、お茶を飲む習慣が既にあったと思われる。日本では、『日本後記』の815年の条に「嵯峨天皇に大僧都、永忠が近江の梵釈寺において茶を煎じて奉った」と記述されています。これが最初のお茶についての記事です。奈良時代から平安時代に掛けての、遣隋使・遣唐使の方々が中国に渡って、お茶という嗜好品を日本に持ち帰ったのでしょう。この辺りのお茶は、茶の葉っぱを釜ゆでして作られていたと思います。3世紀中期ころの蒸し器、甑は、時代が進む間に蒸籠に進化し、鎌倉時代頃から茶の葉っぱを蒸すようになり、日本茶の緑茶が完成していった。中国にも緑茶はあるが、製造の段階で釜炒りし、日本の蒸すとはちょっと違う。
 お茶の成分には、タンパク質、ビタミンB₂、葉酸、ビタミンC、カフェイン、タンニン、テアニンが含まれています。最近、問題になっているコロナ禍においては、お茶に含まれているタンニン(カテキン類)が抗菌作用を持ち、2020年11月27日に奈良県立医科大学の発表によると30分でほぼウイルスが不活化したとのこと。欧米諸国に比べて、コロナ禍の患者数が少ないのは、お茶を好む国民性からでしょうか。


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